ノーベル賞からの神様の御心
先週、ノーベル賞の発表がありました。
今年は日本人は選ばれていないですが…、”どこの誰が”ということが問題ではなく、全人類に有益な発見、成果であったということでしょう。
私もわくわくしながら発表を待っていました。
さて、その中で今年のノーベル化学賞に「遺伝子編集技術」が選ばれました。
この”CRISPR-Cas9 (クリスパーキャスナイン)”という技術は、いまや生命科学の世界では当たり前になっています。
簡単に言えば、自由に遺伝子が編集できる技術です。
私たちがかかる病気は遺伝子の異常から起こるものが多いです。
ですから、その遺伝子を編集して直してやれば病気も防げるだろうということです。
しかし一方で、2018年には中国で遺伝子を編集した赤ちゃんが誕生したということが話題になりました。この時使われた技術が同じものになります。
この実験を行なった中国人研究者は倫理的問題に問われました。
2003年にヒトゲノムの解析が終わり、人間の遺伝子の並びが全部わかるようになり、最近では遺伝子の編集が簡単にできるようになりました。
このまま技術が進めば、「人間は生まれる前に運命がわかり、それを変えることができる」ことになりかねません。
そんな時代が来たら、皆さんどうですか?
これを機にぜひ考えてみてほしいと思います。
(ちなみに、実際には研究者の”良心”に委ねられ、”神の領域”として手をつけられないという認識です。)
科学技術の進歩というのは私たちの生活を豊かにし、有益をもたらしてくれるものです。
しかし使い方を間違えると、人類に害を被ることになります。
ノーベル賞の始まりも、アルフレッド・ノーベルが土木工事を早く進めるためにダイナマイトを開発したのにもかかわらず、戦争の武器として使われてしまったことから、その遺産で人類に貢献した人に賞を与えることを決めたのです。
日々進歩する研究成果、科学技術も神様が人間にくださった祝福ですから、ふさわしく使われていくことを祈っております。
Biologist
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